フリーの日本語入力ソフト (IME) 機能比較

IME を選んで使ってますか?
今回は Windows 用のフリーな日本語入力ソフト(IME)の機能比較です。
ただし、機能は変換精度や速度といったものではなく、 私が便利だなと思うプラスアルファ的な機能についてです。

対象 ソフト

対象としたソフトウェアは OS に標準でついている Microsoft IME (MS-IME)、 Microsoft Office IME 2010 (Office IME) と無料で公開されている 2 つの IME です。
追記 2013-01-25
Office IME 2010 の比較を追加しました。
Google IME Icon Google IME
Google が作成した IME です。
Google 検索の"もしかして"機能の担当者と PRIME の作者が中心になって開発したそうです。
Baidu IME Icon Baidu IME
Baidu IME は中国発の検索サイト Baidu(百度) が出している IME です 。
フリーソフトをインストールする時、よく一緒にインストールしないか 訊いてくるので、目にしたことがある人は多いのではないかと思います。
Office IME Icon Office IME 2010
Office IME 2010 では、 Google の IME に対抗してか、かなり機能強化されました。
Office 2010 製品についてきますが、過去の Office 製品のライセンスがあれば、 リンク先の Microsoft のサイトから無料でダウンロードすることができます。
(これをフリーと呼ぶのかというと微妙ですが)

ただ、これは Windows 8 では使えません。 Windows 8 の MS-IME の方がより新しいからということらしいのですが、 こちらは Windows 8 を持っていないので、比較していません。

なお、フリーの IME としては Social IME もあるのですが、 Windows 7 に未対応のようなので、対象外としました。

機能比較

私が便利だと思う機能とその対応の一覧です。 赤字の機能は特に欲しいなというものです。
機能 MS-IME Office IME Google Baidu
Emacs での入力
予測変換(サジェスト)
同音異義語の説明
専門辞書の追加
自動更新
カタカナ英語変換

変換精度や速度といったものは、 大事なところだとは思いますが、比較はなかなか難しく、やっていません。 使ってみた感覚ではどれもそれほどかわらない気がします。

ただ、"わたしはなまえはなかのです(私の名前は中野です)" を変換したところ、 MS-IME 、 Google は一発で変換できますが、 Baidu は 2 番目の変換候補でちょっと変換精度が落ちるかもしれません。

MS-IME と Office IME 間でいうと Microsoft いわく、かなりのパフォーマンス改善が行われています。
変換速度に関しては 2 倍らしいです。

Emacs での入力

もともと他の IME を試してみたきっかけは Windows 7 では MS-IME と Emacs 24 の組み合わせで、 うまく動かなかったためです。 Goole , Baidu IME では問題なく動きます。

ただし、 Windows 7 でも Office 2010 にすると入力できるようになりました。

予測変換(サジェスト)

予測変換は携帯やスマホでは大抵ついている機能で、 書いている途中で、予測して候補を出してくれます。
入力しづらい携帯と違って、それほど必要性は感じないのですが、 予測がうまくいったときには入力が速くなります。

MS-IME にも予測変換機能はついているのですが、 他のと違い、過去に入力したものの中からしか予測しません。 それだとあまり役に立たないので、 △ にしています。
Office IME ではずいぶん予測がよくなったのですが、 予測対象はやはり過去に入力したものに限るようです。

Google と Baidu では Google の方が候補数が多く、 表示する候補数の指定もできるので、 若干上かなと思います。
Suggest Google IME Suggest Baidu IME
Google IME Baidu IME

同音異義語の説明

例えば、 "あげる" を変換するときに、 どの漢字にすればいいのだろうと迷う時があります。
こんな時に説明を表示を表示してくれる機能です。 これがあるとかなり助かります。

MS-IME は簡単な説明だけですが、 Google は用例も表示してよりわかりやすいです。
Homonym MS-IME Homonym Google IME
MS-IME Google IME

専門辞書の追加

MS-IME で最初から幾つかオプション辞書が入っています。
Google IME にもほぼ同様の辞書が入ってますが、 Baidu IME はサイトからダウンロードして追加します。
辞書 MS-IME Office IME Google Baidu
郵便番号
単漢字
顔文字
人名地名
記号
カタカナ語英語(後述)
これらは郵便番号辞書のように特殊変換的なものや 人名辞書のように変換精度を上げるものです。

人それぞれで専門分野があるので、 その分野の辞書が入っていると、変換精度が上がります。 私の場合は科学技術用語や IT 用語の辞書が欲しい辞書です。
こういった専門辞書を追加できる機能の比較です。

◎ : Baidu IME は Baidu のサイトから公開されています。 ネットで使うような辞書が中心ですが、いろいろな辞書があり、私が欲しかった IT 用語辞書もあります。
○ : MS-IME も辞書を追加することができます。 広く使われているだけあって、いろんな辞書が公開されています。
ただ、 Baidu と違い、個人が公開しているものなので、 欲しい辞書があまりなかったり、有料だったりします。 ◎ : Office IME では オープン拡張辞書 としてサイトからの追加の体制が整ってきています。
数はまだまだこれからという感じですが、 IT 用語辞書に関しては Microsoft が作成しています。
△ : Google IME には残念ながら、辞書の追加機能はありません。
ユーザー辞書として、追加することはできなくはないですが、 使いにくいです。

自動更新

言葉は日々増えていきます。
特に有名人の名前などは頻繁に増えてくるので、 辞書や IME の自動更新があったほうがいいでしょう。

Google IME では自動更新はできるようです。 Baidu は辞書の更新はよくわかりませんが、 クラウド上のサーバーと連携する クラウド入力 という機能があります。

Office IME では Windows Update を利用して辞書の更新がされるようになりました。
また、最新語辞書というのも用意されています。

追記 2013-12-19
辞書、 IME の自動更新はいいと思うのですが、 ユーザー辞書の同期やクラウド変換にはセキュリティー上の注意が必要です。

カタカナ英語変換

カタカナ英語を入力すると英語のアルファベットに変換してくれる機能です。 例えば こまんど と入力すると Command と変換してくれます。

私の場合は英語のスペルがうろ覚えのものが多く、 英語の文章を書いている時やコーディング中に役に立っています。
とくにコードを書くときには CommandClass のように単語を繋げて書くことが多く、 スペルチェックを使えないため、非常に助かります。

MS-IME と Google IME は変換の候補として、 小文字、 大文字、 先頭だけ大文字 の 3 つが出てきます。 Baidu IME だけ、 小文字しか選べません。
コーディングでは、 先頭大文字やすべて大文字の単語も使うので、 小文字だけだと使いづらく、 △としています。

また、 MS-IME では変換候補が複数ある場合には単語の説明も表示してくれます。

Katakana MS-IME Katakana Google IME Katakana Baidu IME
MS-IME Google IME Baidu IME


Office IME ではなぜか単語の説明がなくなり、この点に関しては機能ダウンしています。

追加した IT 用語辞書でも、 説明の部分をマウスでクリックすることにより英語への変換ができるようになっています。
ただ、英語にできるのは嬉しいのですが、キー入力中にマウスを触らせるというのは ありえない操作性かなと思います。

公開されている Google のカタカナ英語辞書

Google IME 用のカタカナ英語辞書を作成しているプロジェクトがあります。 Google IME も標準でカタカナ英語辞書がつくのですが、 かなり多くの単語が登録されているので、 カタカナ英語変換をよく使う私としてはかなり嬉しい辞書です。

ただし、 2 点ほど問題があります。
ユーザー辞書としてしか追加できない
Google IME では辞書の追加機能が無いため、ユーザー辞書として追加します。
ユーザー辞書ですので、変換候補としてカタカナよりも先に英単語がきてしまいます。 サイトのページにも書いてありますが、 IME に覚えさせるまで、普通にカタカナを書くのが、結構めんどうになります。
また、インストールも少し大変です。
英単語に説明が入っている
辞書の登録がうまくいっていないだけかもしれませんが、 変換後の英単語に () 書きで説明が入っています。 このため、変換候補に著しく長い単語が入ってきて、かなり見づらいです。
私の場合は、一回 () の説明を Emacs の置換機能で全部とってから、追加しなおしました。

その他の特徴機能

Google IME, Baidu IME で特有の機能もあげてみます。

Google IME

もしかして機能
Google 検索には、スペルミスをした場合などで、 正しそうな単語を推測してくれる機能があります。 この IME 版です。
サイトのものはかなり便利なのですが、日本語入力としてはそれほどでもないです。 ただ、しゅみれーしょん のようにちょっと紛らわしものを入力した時、 一般的な候補を上げてくれるため、ミスが減ります。
Google もしかして機能
日付変換
きょう と入力すると 2012/10/29 といった日付に変換できる機能です。
メールを書くときなど、つい明日、明後日など書きたくなります。 しかし、メールのような相手がいつ読むかわからないものは、日付もつけておいた方が親切です。 そういった時、この機能があるとすぐに変換できます。
Google Data

Baidu IME

和英辞書
入力中の文字で和英辞書を引き、その説明を表示する機能です。
非常に惜しい機能です。 引いた英語を変換結果として使えるのであれば、使い手があるのですが、 表示するだけなので、使い勝手の悪いただの辞書にしかなっていません。
Japanese English Dictionary
スクリーンキャプチャー
現在の表示画面をキャプチャーして、 クリップボードまたは画像ファイルに保存する機能です。
あると便利ですが、そういうフリーソフトもいっぱい出てますし、 Baidu IME 使わなくても同じことはできます。

まとめ

3 つの中では Baidu IME が格段に落ちる感じです。
Baidu は同音異義語の説明がないのと、カタカナ英語変換が不十分なのが、 致命的です。
ただ、ネット系の辞書には強いので、 ネット上でよく文章を書く人にはいいかも知れません。

Emacs を使うのであれば、 もう Google IME で決まりです。
ただ、使わないにしても、 MS-IME と Google IME を比べると Google の方がやや便利かなといった感じです。



というように以前、結論を書いていたのですが、 Office IME 2010 の登場で若干抜き返した気がします。
Office を購入しているのであれば、 Office IME がいいのではないかなと思います。

結局、 デフォルトのままで、別の IME をインストールしなくてもいい という状況なってきました。
しかし、今までほぼ独占だったソフトに競合ができ、 お互いにいいものになっていくのは非常に喜ばしいことだと思います。 次は Google IME の巻き返しを期待したいところです。

追記 2013-12-26
紹介した Baidu ですが、 IME で入力したデータを勝手に送信するひどいアプリでした。 主に問題なのは、次の 2 点です。
  • 入力データと一緒にパソコンの ID を送信する
  • 送らないように設定しているのに、実は送っている
バグだったとか日本国内でしか使っていないなど説明されていますが、本当のところは確認しようがありません。 不用意に紹介して申し訳ありませんでした。ここでは今後 Baidu は使用しないことをお勧めします。
すでにインストールされた方は削除してください。


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コメント

No title

参考になりました!!

No title

Baidu IMEはいまいちとのことですが、同社が買収したAndroid向け変換ソフトsimejiは潰れたドロイド端末が現役のころは愛用していましたね。
Social IMEのAPIによる変換候補表示ができる部分とかが特徴というかですね。Baidu IMEにも使われているのかもしれません。

今回の問題でふと思い出してSocial IMEを入れたり、Google日本語入力とSocial IMEの比較を探したりしてここにたどり着きましたが、MSIMEとOfiiceIMEでも違いがあるとは。
個人的にOoficeIMEで増えた標準の辞書の内容(あんな言葉までというような追加)は嬉しいが、Google日本語入力やSocial IMEのように最新のものが増えるというのに惹かれるというかですね。
こちらを参考にGoogle日本語入力をメインに利用しようかなと思います。長文失礼しました。

Re: No title

コメントありがとうございます。
みんなが使った情報で変換候補などが充実していくのは私も魅力的なことだと思います。
入力データが性能向上のためだけに使われるという保証あればいいのですが、難しいでしょうね。
その点、Google IME は入力データを送るのではなく、 Google の検索情報などで
辞書を更新しているらしいので、大丈夫なんじゃないかと思います。

No title

ttp://blog.livedoor.jp/blackwingcat/archives/1839648.html
上記ブログではBaidu関連もいろいろと記事にしているのですが、2年ほど前からこの問題は記事にしていました。
そして、最近は「そんなすでにわかりきってることになんでかねかけて調べたりとかしてニュースにしたのか(しかも半分はデマだし)。」という感じの記事も書いて過去のバージョンもインストールして挙動を検証したりもしています。
そして上記記事にて通信部分を削除するツールを公開しています(それによりクラウド変換も利用不可になるそう)。

記事を読みながらふと思ったので調べたことを記しておきます(上記ブログでも類似な書き込みをしたため内容が似ています)。
前コメントで記述したとうりshimejiではSocialIMEを利用して変換ができるようになっていましたし、BaiduIMEでも同じように利用しているのかもしれません。
ttp://www.social-ime.com/api.html
にあるAPIを見る限り生データかURLエンコード(アルファベットで日本語等を表記してリンクにすることができるようにするもの 例:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%89%E3%82%A5_(%E4%BC%81%E6%A5%AD))したものを送ることで結果が返ってくるようなので、便利ではあるが、SocialIMEの辞書から引用しようとするソフト・マッシュルーム(Android文字入力機能拡張(shimeji発祥だったはず))はどれでも危険という感じでしょうね(URLエンコードについて理解したつもりでコメントしているので間違っているかもしれない)。

No title

結論として、どれも使えないと

No title

バイドゥは利用者に無断でデータ送信してくれちゃってますからねえ
信用できませんなあ

No title

一番重要な [抑制単語] を比較していないのは なぜでしょうか。

Re: No title

> 一番重要な [抑制単語] を比較していないのは なぜでしょうか。

何が一番重要かというのは人や目的などで変わります。
すべて網羅するのは大変ですし、基本的に私が興味をもったものしか比較していません。

No title

SKKは比較対象外かよ

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