Emacs (24.5 以上) の Windows へのインストール

以前 Emacs の Windows でのインストール方法に関する記事を書きました。 その時の Emacs のバージョンは 24.2 だったのですが、バージョンが上がり、 インストール方法が少し変わっていました。 今回は再度インストール方法について説明したいと思います。

Emacs 24

GNU が作成しているEmacs は 独自の日本語入力機能をもっていて、 IME が使えません。 IME を使うにはパッチを当てた Emacs をインストールする必要があります。
前回はそのうち gnupack と emacs 単体でのインストール方法について説明しました。 今回はそれに加え、前回からのアップグレードの方法についても説明します。
  1. gnupack(Cygwin+Emacs) のインストール
  2. Emacs 単体のインストール
  3. Emacs 単体のアップグレード(以前環境からの引っ越し)
2016-11-02 追記
Emacs 25.1 に対応しました。 ただし、 gnupack 版はまだ出ていないようなので、 単体のみです。

gnupack(Emacs+Cygwin) のインストール

パッチのあたった Emacs と Cygwin をまとめてすぐ使えるようにした gnupack が公開されています。 Cygwin とは Windows で Unix 環境を作り、 Unix のツール群を使えるようにするものです。

ただ、個人的には Cygwin 環境があまり好きではないので、 Emacs 単体で使っています。 とはいっても「Windows を使っている時は Windows と仲良い感じがいいかな」という気分の問題で、 Cygwin はそんなに悪いものではありません。
gnupack は面倒な設定がいらず、初めて Emacs を使う方にはこちらの方がお勧めです。

そこで、まず gnupack で Emacs をインストール方法について紹介します。

ダウンロード

gnupack は以下のサイトからダウンロードできます。 develop とついているのは開発版なので、 gnupack_basic-XX.XX.YYYY.MM.DD.exe の方がいいでしょう。

インストール

ダウンロードロードしたファイルは自己解凍形式のファイルで、実行すると解凍されます。
インストールしたいところに解凍して下さい。解凍すると gnupack_basic-XX.XX-YYYY.MM.D というフォルダーが作成されます。

gnupack は解凍しただけですぐ使えます。 展開したフォルダーの直下にある startup_emacs.exe を実行すると emacs が起動します。

Cygwin 環境でのパス

Cygwin 環境ではマウントといって、 Unix に近くなるよう少しパスが変わっています。 初めて使う方は少し戸惑うかもしれません。
簡単に説明すると次のような感じです。
  • パス区切りが \ ではなく /
  • 全てのパスは / (ルート) から始まる
    • / 自体は展開したフォルダーにマウント
  • C:\, D:\ ドライブは /c/, /d/
詳しくは UsersGuide.html のディレクトリー構成を読んで下さい。 こちらも展開したフォルダーの直下にあります。

gnupack の設定

そのままでも使えるのですが、アップグレードがやりやすいようにやっておいた方が良い設定を紹介します。

一つ目はフォルダー名の変更です。
ショートカットを作った際にアップグレード時に変更しなくていいように -XX.XX-YYYY.MM.D の部分は取り除いておきます。


もう一つは ホームディレクトリーの変更です。
ホームディレクトリーというのは Unix におけるユーザーのトップディレクトリーで、ここに設定ファイルなどを置きます。 そのため、アップグレードしてもそのままにしておいた方がいいのですが、 デフォルトでは展開したフォルダーの home になっています。これを変更します。

まず適当にホームディレクトリーを決めます。 私の場合はマイドキュメントと同じフォルダーにしています。
これを環境変数 HOME に設定します。

次に展開フォルダー以下にある startup_config.ini を修正します。 このファイル内で HOME を指定している行を削除します。
 [Process Variable]
    CYGWIN_DIR = %ROOT_DIR%\app\cygwin\cygwin

    HOME      = %ROOT_DIR%\home # ← この行を削除
    TMP       = %TEMP%\gnupack
    TEMP      = %TMP%
これでホームディレクトリーは環境変数で指定した場所になります。 あとは gnupack の home 以下を HOME に指定したフォルダーにコピーします。


ちなみに、前回 gnupack の設定で書いておいた [変換] キー等を無効にする設定は取り込まれ、 スクロール時にフリーズする問題は解決されていて 修正する必要がなくなっています。

Emacs 単体でのインストール

次に Cygwin 抜きの Emacs だけをインストールする方法を説明します。 Emacs だけで十分という人はこちらの方法でインストールして下さい。

ダウンロード

gnupack のサイトでは Emacs 単体のパッケージも用意されています。 しかし、 Emacs のバージョンは古いバージョンで止まっているようです。 gnupack 内の Emacs はというと Cygwin のライブラリーがないと動作しません。

そのため、パッチをあてた Emacs パッケージを公開している別のサイトを利用します。 以下のサイトから最新(emacs-25.1-simple_ime-no_symbol.zip, 2015-11-02 時点)の Emacs をダウンロードして下さい。 ダンロード後、圧縮ファイルをインストールしたい先に展開します。

環境変数の設定

次の 2 つの環境変数を設定します。
環境変数 設定値
HOME 好きなフォルダー (マイドキュメントと同じフォルダーなど)
Path bin フォルダーのパスを追加

grep, diff のインストール

Cygwin は使わないのですが、 grep や diff コマンドは結構使います。
grep
Step by step 正規表現入門 - 英数字とエディターでの検索 | プログラマーズ雑記帳
diff
Emacs のファイル差分表示(ediff, diff)機能の使い方 | プログラマーズ雑記帳
以前の記事では grep, diff を個別にインストールする方法を紹介しました。
しかし、 GCC のパッケージの中に MSYS というのがあり、 これには bash と grep, diff といった Unix 系の基本的なツールがセットで入っています。 MSYS をインストールした方が簡単だと思います。

MSYS に関しては以前の記事を参考にインストールして下さい。

起動

以上でインストールは完了です。
起動する場合には bin フォルダー内の runemacs.exe をショートカットを作るなどして実行してください。

最小限の設定

インストールは完了しましたが、 Emacs ではこの後いろいろ設定しないと満足には動きません。
そこで、最低限やっておいた方がいいかなという項目をまとめた設定ファイルを用意しました。 詳しくは以下の記事をご覧ください。

gnupack を利用した Emacs の設定

gnupack の方では最初からいろいろと設定してあります。 gnupack の設定を利用する方法も紹介しておきます。
  1. gnupack をダウンロードして適当なところに展開
  2. その中の home/.emacs.d フォルダーを HOME として指定したフォルダー(~)にコピー
  3. ~/.emacs.d/init.el を修正
    • migemo, server, ime のセクションを削除
ここでは簡単のために migemo を削除しましたが、使いたい場合は以前の記事を参考にして下さい。

Emacs 単体のアップグレード

24.2 からのアップグレード

以前の記事を見て Emacs 単体でインストールした人向けに Emacs をアップグレードする方法についても説明します。

  1. Emacs 単体のインストールで紹介したサイトから Emacs をダウンロード
  2. 古い Emacs のフォルダーを別名にして、ダウンロードしたファイルをインストール先に展開
  3. 古い Emacs から site-lisp の中身を移動 (site-lisp の場所が変更されています)
    • emacs/site-lisp(旧) → emacs/share/emacs/site-lisp(新)
  4. ~/.emacs.d/init.el を修正
    • menu-tree, ime のセクションを削除
menu-tree はメニューを日本語に変更する elisp なのですが、 残念ながら新しいバージョンでは使えなくなっています。

これで今まで通り使えるようになっているはずです。
なお、 起動後 "Package assoc is obsolete!" とメッセージがでることがあります。 これは「 assoc パッケージは obsolete(非推奨) だから使うな」というメッセージですが、 動作に影響は無いので気にする必要はありません。

24.5 からのアップグレード

24.5 をインストール済みの状態から 25.1 にアップグレードするのは簡単です。 単体の Emacs の圧縮ファイルの中身でごっそり入れ替えると動作します。

ただ、"w32-ime" のライブラリーがなくなったようなので、 設定ファイルでその機能を読みだしているところ(imeセクション)を削除する必要があります。


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